共立背負い式刈り払い機RME3150Bエンジン焼き付き修理(トラブルシューティング編)

修理ブログ

昨年突然エンジンがかからなくなった共立の背負式刈り払機 RME3150B

少し前に通常作業をした後何日か経ってから指導しようとしたらかからなくなったマシンです。トラブルシューティングの結果原因はピストンリングが折れたことによる圧縮漏れでした。ピストン、リング、シリンダーなどを一式交換した作業を紹介します。交換部品だけで18600円もかかってしまい修理を実施するか戸惑いました。

トラブルシューティング

まずエンジンが始動しないとき疑う項目は多数あるのですが、使っているユーザのオイル管理(2STオイルの混合比や品質)、使う頻度、使い方によって可能性がだいぶ絞っていくことができます。

今回のマシンはプロ農家が数年使ったものを破格で譲り受けて私が使っていたもであるため、オイル管理や使い方は問題ありません。

点火系、キャブレター系問題なし

数日前に問題なく作業が実施できたことから焼き付きではないだろう。点火系なども徹底的に疑いながらトラブルシューディングをスタートします。

プラグかぶり無し。

火花確認OK。

初爆無し

点火が問題なく初爆がない場合はキャブを疑いますが、キャブも問題ないためクランクケースの機密を疑います。

リコイルスターターを外して初めて圧縮低下に気が付いた

残る原因はクランクケースの機密漏れや焼き付きなどですが、圧力計測関係の道具がないためクランク軸のオイルシールチェックします。リコイルスタータを外してオイルシールチェックしても問題なし。

ふとクランクを手で回すと

ん? 圧縮が低い・・・・。

・・・。

ピストン、シリンダー回りの原因確定です。

コンプレッションゲージなどがあればもっと早く気が付いたのですが残念ながら使用頻度が低くく、ほしい人が居たため譲ってしまってしまいました。やっぱりこういうこともあるので持っておいたほうがいいですね。

通常の機械であればリコイルスタータを引いた段階で圧縮が低いことに気が付くかもしれませんが、このエンジンは「iスタート」という軽い力でリコイルが引ける機構があるため圧縮下がりをリコイルスタータの引き強さから気が付くことができませんでした。

シリンダピストン分解調査開始

原因が絞り込めたためサクッとシリンダを分解します。クランクケース内にゴミが入らないようにゆっくりシリンダを外してウエスで養生します。

ピストンを確認するとガスの吹き抜けなどが確認されますが一般的なひどい焼き付きはありませんがぱっと見て何か変です。

ピストンリングですがトップリング周辺が・・・。

反対側を見ると・・・。

んんんんん?

トップリングが3本仕様??

一瞬頭が混乱しますがよく見ると

トップリングが折れて一つの溝の中で折り重なかさなってます!

こんなん初めて見ました。

当然溝は広がってしまい圧縮が抜けてしまいます。

シリンダを確認するととてもきれいなため使えるかな?と思いますが燃焼室周辺が少しあれているためやっぱり使用できません。

ピストン、ピストンリングセット、シリンダー交換と大手術が必要です。部品をリストをオンラインでチェックすると焼き付き対策キットなるものがあるため価格を見ると約19000円!!

内容は上記三点のほかにシリンダガスケット、インシュレータガスケット、ピストンピン、ニードルベアリング、スラスト受け(名称不明)が入っているためセットで買ったほうが全然安いです。

悩みに悩んで半年間悩んで結局修理することにしました。次回部品交換編に続きます。

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