全開苦労して分解しましたが今回は続きの組み立て編です。治具も道具もなしなのではっきり言って組み立ても手間取りました
組み立て準備徹底的な掃除
取り外した部品の油をとりあえず拭き取ります。
油はごみを吸着するためきれいなウエスで拭き取った後に素手でコマかなゴミがないかチェックします。Oリング、オイルシールなどパッキン部品の溝もきれいにします。
シリンダ内部や修道する部分にバリや傷がないかチェックし、新品のオイルシールちゃんたちが気持ちよく入ってくれるように掃除します。ロッドについているピストン(名称不明)はシリンダと接触してもシリンダが傷つかないようにアルミでできているようです。ガイドリングが摩耗して少し接触していたのかバリが出ていました。そのような場合は丁寧にバリを取りましょう
よく新人に掃除などを頼むと全部ピカピカにしようとしたり、重要な部分が全くダメダメな時があります。そんな時は怒鳴りつけたりせずに、「自分がオイルシールだったら体にフィットする特別な椅子の中にレゴブロック入ってたら不快だろ?イライラするしいい仕事できないと思わない?」って言ってやると少し真面目に部品の役割や構造などを意識してくれます。
エンドキャップやピストン(?)に新品の部品をはめます。


エンドキャップにガイドリング(正式名称不明)、高圧シール、低圧オイルシールをエンドキャップ内径の溝にはめ込みます。新品のオイルシールはMCナイロンのようなとてもきれいな青色をしていました。
オイルシールにはリップの形状が表裏で形が違うことからわかるように油圧を受ける側、大気側で向きがありますので注意してください(O-リングや高圧シールを受けるTパッキンには向きはありません)。
エンドキャップのシール部品をすべてはめたら次はロッドにエンドキャップをはめます。
しかし低圧のオイルシールをロッドに通すのは治具なしではとてもでした。最新の型式ではおそらく改善されていると思いますが、巨大なクリップで止めている同型のシリンダオーバーホールにトライする方は覚悟が必要です。
エンドキャップをロッドにはめる(超大変でした)


左図はロッド先端部でエンドキャップはこちらから入れるかピストン側のねじを緩めてお尻側から入れます。後者であればオイルシールの構造から簡単ですが、ナットが緩まないし作業が増えるので今回はロッド側から入れることにします
ロッド先端(斧側)の端面をチェックすると塗装が付いていてわかりにくいですが、オイルシールが乗り越える部分に、大きな段差がついています。。。
一般的に段差部には10°~20°くらいの角度で面取りをしてオイルシールやOリングなどが損傷しないようになっています。しかしこのロッドはどう見てもシャープエッジかC面取りで簡単何は通らなそうなことが予想できました。
ここをオイルシールが正しく乗り越えられず若干損傷させてしまいました(幸いにも油漏れは発生しませんでした)
やすりで面取りすることも考えましたが、ロッドはハードクロムメッキがされているしメッキがはがれた部分はさびてしまうため、手作業による追加工は断念します。
通常はロッドにオイルシールのリップが徐々に広げられてロッド外径にスコッとはまるようにする治具をを使うのですがそのようなものはないのでその辺にある材料で急ごしらえで作業しました。
基本的には段差に引っかからないように段差を乗り越えられれば良いので最初はビニールをかぶせたりしましたが高圧シールのためリップが固く且つ、ロッドとエンドキャップの隙間が狭いし、ガイドリングやらいろいろ入っていてビニールは無残にも破けてしまいました。
いろいろな材質のビニールを試したりしましたがうまくいかず・・・。
そこで今回はロッドの段差をテープでぐるぐる巻きにして段差が少なくない状態をトライします。ビニールテープなどいろいろ試してみました。
最終的には養生テープを巻いてオイルシールが入るロッド外径よりわずかに太くなるよう工夫します。何度かトライして太さや徐々に太くなる様子などに苦戦しましたが最後にはオイルシールリップのめくれなどなしで何とかはめ込みまめました(書くと簡単そうですか状時期何時間もかかってしまいました。
エンドキャップを上下に動かして異物をかんだような感じがないかチェックします。オイルシールがうまく入っていない場合は外観でめくれている様子やキャップの動きがとてつもなく固い感触になります。
ピストンのガイドリングと高圧パッキン取り付け
ロッドについたピストンにもガイドリング、高圧シールのTパッキンを入れます。
今回切れた高圧シール部は先にOリングを入れてその上に断面が四角のTパッキンが付きます。(幅の広い黒いのがガイドリング、細い溝に残っているのが切れたOリング、はみ出しているのが切れたTパッキン)
ガイドリングやTパッキンは新旧を比較するととても摩耗することがわかります。ピストン外周が接触する前にパッキンを交換することやオイルに水分が混ざって白濁や劣化するので定期的に交換が必要です。

ここから先は超簡単。修理佳境です。

傷やバリ、ごみがないことを再度チェックして、組付けたピストンやロッドを注意して取り扱います。
滑りが良くなるようにパッキンや摺動部に作動油をたっぷり塗ります。ロッドとエンドキャップをシリンダにはめ込みますが、段差があって体重をかけないと入りません。そこでロッドがシリンダに対して水平になるように角材を挟んで高さ調整をして、パンタグラフジャッキで押し込みました。ジャッキなどを使うとパッキンやoリングがかみこんでいても気づきにくく、無理やり入れてしまい切れてしまう場合があるので慎重に入れます。ピストン、エンドキャップがはまったらクリップを入れて完成です。
パイプをつないで油を入れて確認運転

エンジンをかけてドキドキしながらコントロールレバーを動かすと・・・。
ばっちり動きましたー!
オイルシールを傷つけてしまったロッドシールの部分もとくに油漏れなどはなく一安心。薪をセットして割ってみると今までのストレスが嘘のようにパワフルに割ってくれます!
若干2ステージポンプの切換えタイミングが悪く時々エンジンストールしてしまうことがあったので調整しましたが、それ以外はいたって順調です。
時間はかかりましたがシールキットは海外から個人輸入でしたので送料込みで12000円ほどでした。
予備で2セットくらい余計に買っておこうかと思いましたが16000円を超えると関税がかかってしまうため今回は必要な分だけ購入しました。


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