MTD薪割り機油圧シリンダ修理(分解編)

修理ブログ

愛用している薪割り機君の油圧シリンダオーバーホールの様子を紹介します。前より割れなくなった。とかほかの人の同じくらいの油圧力と比べて力がない。縦向きにして時間がたつと斧が下りてくるなどの症状があった場合油圧シリンダ内部でリークが発生している可能性がります。

アメリカ製MTDログスプリッター(薪割り機)シリンダ径4インチバージョン

薪割り機のメーカは各社ありますが、私の愛用している薪割り機を紹介します。ヤフオクでジャンク扱いの商品を買い、想像をはるかに超えるジャンク状態で結局かなりの修理や臓器移植をする羽目になりましたが、こうやってブログで紹介できるので結果オーライとします。

ジャンク状態からまともに使える状態への作業はかなりの道のりだったので詳細は別ページにて紹介し、今回は油圧シリンダのOHについて紹介します。

まずMTDですがアメリカの大手のガーデンマシンを製造販売しています。薪割り機は輸入の関係から20トンクラスを購入する場合40万円前後になります。安価な中国製などを買ったことがないのでわかりませんが、それなりにしっかりとできているのでお勧めです。

今回の修理で注意いただきたい点として油圧シリンダーのサイズが数種類あり、一般的に20トンクラスでは4.5インチと5インチのサイズがあります。当初私も油圧シリンダをOHしようと思って日本代理店に連絡したらシリンダ径(内径)をはかって4.5インチか5インチか確認してください。と言われました(機体型番が古くて型番から判断できないとな)。シリンダにノギスを当てて測ってみると私のマシンでは場合どう測っても4インチ(101.6㎜)しかありません。

代理店の方に改めて伝えましたが、4.5インチか5インチしかないし、予備寸法でしょうから4.5インチ用の部品でいいと思いますと言われてしまいました。

当然そんなわけはない!と思って調べるとMTDのアメリカサイトを見るとやはり4インチのラインナップがあります。どうも昔は4インチがあったみたいだけど現在は生産していないようで、日本代理店は把握してなかったのかしら?

というわけで本サイトの作業をまねて部品を交換する際パッキンキットを注文する必要がありますが、シリンダ径を測ってから注文しましょう。私は結局日本代理店からパッキンキットを購入できなかったためアメリカから個人輸入をする羽目になりました。

油圧シリンダ内部構造

油圧の力で往復動をする油圧シリンダの内部構造は大体こんな感じになっています(画像の出典を載せようと思いましたがわかりませんでした)。私のシリンダの内部構造とは異なりますがわかりやすいので参考に載せました。押すときだけ油圧力で、戻るときはばねで戻すという単動式もありますが薪割り機は往復どちらも油圧のためこんな構造です。

外から見て油が漏れる場合は4番の高圧シールや5番の低圧シールなどが摩耗しています。ごく稀ですが2番のオイルシールや3番のバックアップリングなどが痛んでる場合がありますが、ここが漏れるのは組み込み時の作業ミスと思われます。

私の機体は漏れはないけど割る力がない、縦向きにしてほったらかすといつの間にか斧が下がってくる状態でしたので1番の高圧シールから油圧が漏れる内部リークという状態になっていることが想像できました。この結論を認めたくなくて圧力計をつけて油圧の立ち方を見たりしましたが、結果として疑いの余地なしでした。

シリンダ分解準備

油圧シリンダを分解するために斧部やシリンダについている配管を外します。コントロールバルブ(写真紫色の部品)と油圧シリンダは2か所でつながっていますが、写真下側の大きなねじ(NPT1/2)は図さずに写真上側のパイプを外します。私のシリンダはコントロールレバーから油圧シリンダお尻まで鋼管でつながっているますが、最近の機械はホースでつながっています。現段階では油が少し抜ければいいので片側だけ外して少しオイルを抜きます。

(後から気が付きましたがこの段階では油圧シリンダの油は抜かなくても大丈夫でした・・・)

油圧シリンダ分解 エンドキャップ外し

油圧シリンダを分解にはまずエンドキャップを外す必要があります。国産の重機や上等な機械はメンテナンス性のこともあってエンドキャップはねじ状になってることが多いですが、この油圧シリンダはとても安価なつくりになっています。

まずエンドキャップを外すには内部断面図の「End cap retaining cap screws」を外して引っ張れば外れるのですが、私の機体はボルトではなく写真のような巨大なクリップで止まっていました。

このクリップを外すにはエンドキャップ自体を押しこんでクリップを露出させる必要があるのですが、とても苦労しました。当初は叩き込むのが嫌だったのでジャッキなどを駆使しましたがジャッキが壊れたり、強力なものを用意してトライしましたがびくともせず完全にギブアップ。

結局壊れる覚悟で棒を当てて思いっきりはたいて押し込んだら少しずつ動いてくれてクリップを露出させることができました。

クリップが露出できたら細いマイナスドライバーなどで隙間を作ってPPバンドなどを割り込ませるなどできるだけシリンダ内部を傷つけないように注意して外します。

エンドキャップ取り外し

エンドキャップの外し方ですが、一般的にはロッドをつかんで勢いよくガンガンと引っ張れば抜けるのですが、油圧シリンダを薪割り機からはずしていない場合はとても作業性が悪くてガンガン引っ張れませんでした。

そこで私は一度油圧配管をつないでエンジンをかけて少しずつ油圧をかけて外しました。ある程度まで行ったら手で外そうと思って少しずつ少しずつキャップを押し出しましたが・・・・。

押し出しすぎて油の海です。

幸い少しずつ慎重やったためあぶらがすべて出ることはありませんでした。

ロッドの取り外し 

油受けを用意して完全にロッドを取り外すと・・・。

油圧シリンダで最も重要な高圧シールが完全にちぎれていましたー。

これでは油圧が立つわけがありません。ロッドを外して押し出すだけの油圧がかろうじて立ってくれて不幸中の幸いでした。

ジャンク状態の薪割り機を購入した際に油に水が混入していたのか、かなり白濁しており、シリンダ内部のさびを疑いましたがシリンダ内部の状態は良かったです。

新品のパッキンとの比較

ちぎれた高圧シールは予想したよりチープな構造のTパッキン(?)タイプでした新品と比較すると明らかに肉厚がすり減っています。ガイドリングなども摩耗しており新旧を比較すると驚がくのレベルです。エンドキャップについているロッドの高圧シールは漏れは発生しておりませんでしたが、劣化と油圧による変形で油漏れ寸前な様子でした。

機体の型が古く分解や部品手配で記載した内容以上にとても労力を使ってしまいましたが次回組み立て編に続きます。

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